1992年〜1993年に活動していたUSニュージャージー出身の短命4ピースエモ/ポストハードコアバンドLINCOLNのディスコグラフィがTEMPORARY RESIDENCEよりリリース。オリジナル盤はいずれも入手が困難なため、このタイミングでの再評価とディスコグラフィリリースは驚喜でしかありません。当時のインディペンデントな活動と流通ゆえに知名度こそ低いものの、FUGAZIやMOSS ICONに代表される80年代後半〜90年代初頭のポストハードコアシーン黎明期に活躍していたバンド達のインフルエンスを見事なまでに昇華させたサウンドでシーンに爪痕を残した稀有な存在といえます。本作では、1993年にWATERMARK RECORDSからリリースされた1st EP ”Union”と、バンド解散後の1994年にART MONK CONSTRUCTIONからリリースされた2nd EP ”S/T”、1993年にリリースされたHooverとのスプリット7インチ” Two Headed Coin”の収録曲に加え、長らくお蔵入りになっていた未発表曲”Repair And Reward”を追加収録。これら収録曲のすべてが御大J.Robbinsによるリマスタリングを施されてのリリースというのも感涙モノです。LINCOLN解散後、メンバー4名はENDERHALLを結成。更に中心メンバーのJay Demko(Vo.Gt)とJustin Wierbonski(Dr.)は後にエモ/ポストロックバンドKUKIMにも参加するなど、その後の派生からもLINCOLNが90年代のエモ/ポストハードコアシーンにとって欠かすことのできない重要なバンドであったといえます。