2006年リリースの名盤がリプレス。カリフォルニア出身のハープの弾き語りによる女性SSW、JOANNA NEWSOMの2ndアルバムにあたる本作「YS」は、発表当時にコアな音楽好きのみならず、多くの音楽ファンから絶賛を浴びた作品です。 ヴォーカルとハープの録音をSteave Albini(SHELLAC)が手掛け、Van Dyke Parksがオーケストラアレンジを担当、Jim O'Rourkeがミックスを仕上げるというプロダクション、この文字列だけで当時の話題性が伺えるというもの。バッキングヴォーカルで夫でもあるBill Callahan(smog)も参加。BjorkミーツKate Bushなどと喩えられていたJOANNAですが、彼女の音楽を的確に紹介する文字列が浮かばなかったための苦肉の表現だったのでしょう、それほどにJOANNAの音楽は独創的。歌い、語り、囁き、その緩急はハープの調べと同期し、つま弾く指の動きさえも伝わってくる生々しくも繊細な表現、そこへオーケストラが彩色を添えるというもの。長尺の曲が多く、アルバム一枚を通して物語を体験しているかのようなトリップ感すら覚えます。こういう音楽がDrag Cityからリリースされていた事実、オルタナティヴの一つの形といえます。