USボストンにて1994年に結成されたエモ/ポストロックバンド、「CERBERUS SHOAL」の3rdアルバムがTEMPORARY RESIDENCEよりまさかの初のヴァイナルリイシュー。オリジナル盤は1999年にTEMPORARY RESIDENCEからのCDオンリーでのリリースだったため、今回改めてヴァイナルでの再発となりました。TREE RECORDSの名コンピPost Marked Stampsへの参加やBRAIDやEXPLOSION IN THE SKYとの共演などエモ/ポストロック界隈との交流があった事でも知られており、かつてポストロックバンドSONNAのメンバーでもあったJeremy主宰のTEMPORARY RESIDENCEからの再発というトピック感も見逃せません。本作はエクスペリメンタルロック集団TARPIGHのメンバーが参加した最初のスタジオアルバムであり、不穏なサウンドコラージュやトライバルビート、プログレッシヴロック〜ニューエイジなどの要素を取り入れた実験精神は今作でも遺憾なく発揮されており、ポストロックというカテゴライズを軽々と飛び越える独創性とインテリジェンスに富んだ作品に仕上がっています。後のTEMPORARY RESIDENCEのハードコア経由のエクスペリメンタルなレーベルカラーにも影響を与えているバンドでしょう。ヴァイナル再発に伴い、SHELLACのBob Westonによってリマスタリングが施されています。 (kani)