USインディロックの生き字引き"YO LA TENGO"による通算16作目のフルアルバムがMATADORより。前作「There's a Riot Going On」より4年ぶりのフル作となる本作は開幕トラックの「Sinatra Drive Breakdown」から永遠に鳴り続けていて欲しくなるようなヴェルベッツよろしく、7分越えの長尺曲、リードトラック「Fallout」では彼らの往年の名曲「Sugar cubes」を思わせるノイジーギターロックチューン、「Aselestine」ではジョージアの穏やか且つ美しくもリリシズムに満ちた歌声とメロディが堪能できます。またサウンドプロダクションの観点から捉えてみると前作ではアンビエント的な音の散りばめ方、奥行きのあるレイヤー感が印象的な作品でしたが本作はより生々しさが強調されたライブ感溢れるプロダクションと言えるでしょう。またアルバムタイトルの通り彼らの秘めたる怒り、諦念感がこれまでのYO LAと同じようでいて確実に変化、進化を続けている姿勢、音像により表現されているリビングレジェンドたる彼らにしか創り得ない作品。