USミシガンのレジェンダリーエモバンドBROKEN HEARTS ARE BLUEの前身にあたり、1991〜93年という僅かな期間の中で1本のデモテープと1枚の7インチのみを残して解散した伝説的バンド「VINE」の未発表曲を含むディスコグラフィがCOUNCIL RECORDSよりリリース。"ミシガン州カラマズー初のエモバンド"とも称されるバンドであり、今年THIRTY SOMETHING RECORDSからディスコグラフィがリリースされ注目を浴びた同郷カラマズーのエモバンドMY OWN PINE BOXもVINEからの影響を受けたと公にしているように地元では高い評価を得ていたようですが、音源の流通の弱さと短命さ故に知る人ぞ知る存在として今日まで語り継がれてきました。新譜のリリースと並行して、地元ミシガン周辺のハードコア〜エモバンドを掘り下げアーカイブ化を推し進めるCOUNCIL RECORDSとしても、このバンドのディスコグラフィ化はまさに悲願であったと思われます。FUGAZIやLUNGFISH、GIRL AGAINST BOYSといった当時ワシントンDCを中心に勃興したポストハードコアシーンからの影響を感じさせつつ、CURRENTやLINCOLN、NATIVE NODなどエモ黎明期を支えたバンドとも共鳴する初期衝動溢れる剝き出しの音像はまさにこの時代を象徴するものといえるでしょう。本作には、DC周辺バンドのプロダクト/レコーディングでお馴染み Geoff Turner（ex. GRAY MATTER , THREE）によってレコーディングされ、ADMIRALのメンバーが主宰するSidekick Recordsからリリースされた唯一の7インチ収録曲やデモテープの他、4曲の完全未発表曲を収録。 特筆すべきはB面ラストを飾る"Without Feeling Ugly"で、BHABの結成間もない1996年にレコーディングされたベッドルームセッションを収めた超お宝音源。ここでRyanはBHABでも魅せる中性的なヴォーカリゼーションを確立しており、A面に収録されている同タイトル曲との変化を愉しむ事も出来ます。ゲートフォールドジャケットに8Pブックレット&ステッカー付という30年越しのディスコグラフィ化に相応しい豪華な仕様で所有感もバッチリ。BHABのファンは勿論のこと、90'sエモの深部に迫りたい方はマストアイテムになる事間違いなしです。(kani)