MINOR THREAT、THE TEEN IDLES、EMBRACEを経たリビングレジェンドIan MacKayeを中心にONE LAST WISH、RITES OF SPRINGのGuy Picciottoをフロントに同じくONE　LAST WISH、RITES OF SPRINGを経てBrendan CantyとJoe Lallyで結成されたDCハードコアの派生形、エモやポストハードコアルーツ、USオルタナティブの祖としても拝められる「FUGAZI」のJem Cohen監督のドキュメンタリー映画 ”Instrument” のサウンドトラック、1999年リリース、バーガンディーレッドカラーヴァイナルで再発。FUGAZIを題材にそのDIYに徹した活動方針、パンクアティチュード、歴史を辿る映画の内容、映像に合わせてバックに流れているのが今作からの曲で、既発のデモテイクの荒々しくもスリリング、崩れ落ちるように分解したような、それでいて緊張感は損なわない曲、シカゴ周辺のポストロックバンドとの共鳴、インプロゼーションやダブ的手法、デモ/未発テイクのインスト曲、ベースソロ曲、ピアノとIanのヴォーカルのみで構成されるバラード曲、アコギで煙たい深いリヴァーブに包まれながらGuyが囁き歌う曲など多角的な視点でFUGAZIというバンドを考察できるスピンアウト的な立ち位置にある作品ですが、デフォルトのアルバムを聴いた後に聴くとすんなりと腑に落ちる作品でもあります。