ポストハードコアからのオルタナ〜シューゲイズリヴァイバルへと派生させる確信犯、US/フィラデルフィアの「NOTHING」の2016年リリースの2ndアルバムがRELAPSE、ピンクカラーヴァイナルで2024年再発。WHIRRとのスプリットで更に際立った90年代のオルタナとシュゲイザーを重ね合わす感覚、ハードコア出身者が演者というサウンドの振り幅の広さ、その要素に2010年以降の飽和したシーンから浄化された感覚の偶然性というかマッシュアップした、現在の界隈に置いてもはや必要不可欠となったWill Yipプロダクションも十分に後押ししたイノセントな内容に鳥肌が立ちます。ヘビネスも隠し味で持ち重ね浮遊させるギターサウンドのとにかく気持ち良く鳴らす手腕たるや、かつてのSWERVEDRIVERやHUM、FAILUREといった先代をトレースしながら現代に蘇らせた功績というか、先代を知らない若いリスナーにはこれが現代のスタンダードと言い切れるくらいにオリジナルな域にも向かってた名盤。RELAPSEリリースで若干敬遠されるかもですが、現存のシューゲイズバンドとしてもトップクラスのサウンドですので、括り云々抜きでそういったバンド探している方にも一聴願いたいです。