USペンシルベニア州ピッツバーグ出身のマスロック/ポストハードコアのオリジネーター、「DON CABALLERO」による初期シングル音源および未発表曲をまとめたコンピレーションアルバム。90年代前半にリリースされた複数のシングル/EP音源が収録されており、なかでも1993年のデビュー期にあたる「For Respect」周辺のセッションや、当時極少プレスで流通し現在では入手困難となっているEP音源が含まれている点は大きな特徴です。これらの音源は、アルバム作品とは異なる粗削りで実験的な側面が強く、リリースごとに変化していく彼らの試行錯誤のプロセスを生々しく伝えています。中心人物であるドラマーのDamon Cheによる変則拍子を自在に操る圧巻のプレイと、後にBATTLESでの成功でも知られるギタリストIan Williamsの鋭利なリフワークは、本作においてもその特異性を強烈に刻印しています。初期特有のざらついたギターサウンドや断片的な構成は、後の緻密な構造美へと至る前段階の記録として極めて興味深いものです。また、本作では初期の衝動的かつメタリックなアプローチと、”Don Caballero 2”以降に顕著となる幾何学的で構築的なサウンドの萌芽が同時に確認でき、バンドの音楽的変遷を一望することが可能です。90年代という時代において突出しすぎた存在であった彼らが、いかにして独自の語法を確立していったのか、その過程を追体験できるアーカイブとしても重要な位置を占める一枚と言えるでしょう。