KARATE / st LP (GREEN) KARATE / st LP (GREEN)
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KARATE / st LP (GREEN)

知らぬ間に“USオブスキュアエモ”文脈におけるカルトクラシックとして神格化されていた、Geoff Farina率いるボストンの異端トリオ 「KARATE」。1996年に SOUTHERN RECORDS より発表された2ndアルバムがNUMERO から再発。エモ/ポストハードコアの系譜とDIY精神を確かな土台に据えながら、ジャズやAORの洗練をパンク以後の感覚で咀嚼し、鋭利かつ抑制的なアンサンブルへと昇華したそのサウンドは、当時から明らかに異質でした。ハードコア由来の緊張感を保ったまま、スウィングするグルーヴ、色気を帯びたコードワーク、そして“間”そのものを楽曲の推進力へ転化するその手法は、現在の耳で聴いてもなお極めて独創的であり、後年カルト化していく素地はこの時点ですでに完成されていたと言って過言ではありません。とはいえ興味深いのは、こうした再評価の波が訪れることを当時ほとんど誰も予想していなかった点でしょう。現役当時の KARATE は、その特異性ゆえにシーンの中で必ずしも正当に評価されていたとは言い難く、むしろ“理解されるには早すぎた異端”として、玄人筋からの支持に留まっていた印象すらあります。ゆえに、2020年代以降、彼らがUSオブスキュアエモ/ポストハードコア再評価の象徴的存在として語られている現在の状況には、ある種の歴史修正的な痛快さすら感じられます。今あらためて聴けば、FUGAZI や UNWOUND とも異なる角度から90年代DIYインディーの射程を拡張していたことは明白であり、その功績は再検証されるべきものです。“なぜ当時もっと評価されなかったのか”という問いそのものを含めて味わいたい、大きな意味を宿した一枚と言えるでしょう。
  • Label:NUMERO
  • Price:3,980
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