1980年代の日本ハードコアシーンを代表するバンドのひとつとして知られる、東京拠点の重要バンド 「LIP CREAM」。日本ハードコアシーンの中でも特に強烈な攻撃性とノイズ感、さらにはスラッシュメタル的要素を併せ持つ独自のサウンドで知られています。当時はまだインターネットが普及していない時代であり、US/UKハードコアの海外シーンの影響を受けつつも、その情報は断片的なものに限られていました。そうした状況下で彼らはそれらを独自に咀嚼し、ハードコアの猛烈なスピード感とスラッシュメタルの攻撃性を融合させた、いわばクロスオーバー的なサウンドを展開。当時の日本ローカルシーンの中でのみ成立していた1980年代ハードコアムーブメントの特異な一側面を体現していました。その後、インターネットの普及によって当時の日本ハードコアシーンの存在は世界規模で再評価されることとなり、オリジナルのフィジカル作品はコレクター市場で高額取引されるまでに至っていました。本作は2026年、USエクストリームミュージックの総本山として知られる "RELAPSE" より、メンバー監修のリマスタリングを施したオフィシャルリイシューとして登場。
”Big Foot Cassette” - 1985年にDYNAMITEからカセットフォーマットでリリースされた作品。正式なアルバムとは性質が違うリリースながら、カセットというメディア特有の粗削りな質感の中に、後の作品へと繋がっていくバンドの原初的エネルギーが生々しく刻み込まれています。A面「Studio Side」には新宿JAM Studioで録音されたスタジオ音源、B面「Live Side」には1984年11月24日の千葉MOTHERSでのライブ、さらに同年(詳細日不明)に渋谷屋根裏で録音されたライブ音源を収録。音質はローファイで荒々しいものの、それゆえに当時のライブに肉薄する臨場感が強烈に伝わってくる内容となっていて、後に”Kill Ugly Pop”や”9 Shocks Terror”といった日本ハードコア史に残る重要作を生み出す以前、バンドの出発点、いわば産声とも言うべき、剥き出しのハードコアの衝動が凝縮されたドキュメント的作品です。