エモティブハードコアのカルトバンド”NATIVE NOD”を前身とし、その後はBLONDE REDHEAD、THE LAPSE、ENON、JETS TO BRAZILへと連なる文脈の中核に位置するChris Leo率いるTHE VAN PELT。本作は1996年にGERN BLANDSTENからリリースされた1stアルバムの再発盤です。90年代USエモ/ポストハードコアの地下水脈において、ひときわ異質な存在感を放っていた作品であり、現在進行形で進むオブスキュアエモの再発掘/再評価の流れの中で、あらためてその価値が浮かび上がっている作品です。1996年にGERN BLANDSTENからリリースされた本作は、過剰な感情表現には向かわず、むしろ抑制と反復によって内面を描写していく点に特徴です。クリーントーン主体のギターはミニマルに絡み合い、わずかな変化を積み重ねながら楽曲を前進させ、その構造は、SLINTやJUNE OF 44に通じるポストロック的志向すら感じさせていました。そして、特筆すべきは、Chris Leoによるスポークンワード的ヴォーカリゼーションで、旋律に依存しない語り口は、楽曲に独特の距離と緊張感をもたらし、90年代エモの中でも極めてオリジナルな表現として現在なお語り継がれた表現法で昇華した作品です。