貝本菜穂(FLUID)、 根本歩(there is a light that never goes out、POWER、Z、XALU etc..)、魚頭圭(there is a light that never goes out、ASMEIAS、Z、FIXED etc..)によるジャパントリオの「CONGRATULATIONS」7曲入りがLFRより。前身/現行バンドでの活動を踏まえながらも、単なる延長線上には収まらない“斜め上、0.8歩先”の音像を提示する稀有な存在です。過剰に埋めないアンサンブル設計と、意図的に残された隙間、その間に漂う妖艶な空気感が、演奏全体の旨味として見事に昇華されています。このバランス感覚は国内シーンにおいても極めて希少と言えるでしょう。基調として感じられるのは、90年代エモ〜ポストハードコアに連なる内省的なギターロックの系譜です。THE VAN PELTやTHE LAPSE、UNWOUND、BLONDE REDHEADといったバンド群を想起させる響きが、現代的な感覚で再構築されています。また、ビンテージ機材の質感を活かした録音は、ギターやドラムの鳴りを優先し、過度な処理を排した生々しい音像を形成。そこに乗る菜穂譲のエッジの効いた妖艶なボーカルは、時に鋭く、時に艶やかに楽曲の深度を引き上げています。さらに魚頭氏によるボーカルパートの増加が、楽曲にもうひとつの視点と温度差をもたらし、作品全体に立体的な陰影を加えています。加えて特筆すべきは、THE LAPSEの“Hächi”をカバーしている点です。まさかの選曲でありながら、その解釈は単なる再現に留まらず、彼ら自身のルーツへのオマージュと現在の表現が絶妙に交錯した秀逸な仕上がりとなっています。