USメリーランド州ボルチモアのポストハードコアバンド 「LUNGFISH」 による1998年発表の6thアルバムが、オリジナル同様 DISCHORDより2026年に再発。FUGAZIと並び同レーベルを象徴する存在として知られる彼らは、本作においても一貫した美学を提示。反復される不協和音ギターリフとタイトなリズムセクション、過剰な展開や装飾を排したストイックな構造、すなわち「ほぼ展開しない」音楽を徹底することで、逆説的にポストハードコア特有の緊張感を極限まで高めています。さらに Daniel Higgs による呪術的とも形容されるヴォーカルが加わることで、楽曲は単なるバンドサウンドを超え、クラウトロックやスピリチュアルミニマリズムにも接続するトランス的な音響空間へと昇華されています。同時期の DISCHORDリリース には、FUGAZI/End Hits、BLUETIP/Join Us、MAKE UP/In Mass Mind、SMART WENT CRAZY/Escape From The Sceneといった、ハードコアの枠組みを拡張する多様な作品群が並びますが、その中にあって”Artificial Horizon”は、むしろ“削ぎ落とし”を極めた異端として際立つ存在です。極めてミニマルでありながら深い没入感を伴う本作は、現在に至るまでカルト的支持を集め続ける、唯一無二のポジションを占める一枚と言えるでしょう。