CHEVREUIL / Capoëira CD

フランスのポストロック/マスロック/ノイズロックデュオ 「CHEVREUIL」の2006年にフランスのRUMINANCEからリリースされた4thアルバムがデッドストックで入荷。2000年代中盤に発表された本作は、マスロック/ノイズロックの文脈に位置しながらも、単なる技巧性やリズムの分解にとどまらず、“空間そのものを鳴らす”という彼らの方法論をより明確に提示した重要作といえます。音符をあえて外すようなギターループや難解なフレーズが断片的に反復され、時に硬質なリフとして収束しながら幾重にもレイヤー化されていく様は、まるで幾何学的構造物が立ち上がるかのようです。それに付随しながらも同時に独立してパワーヒットするドラムは、単なるリズムの支えではなく、もう一つの“構造軸”として機能しています。両者は同期するのではなく、むしろズレや緊張を孕んだまま並走し、空間の中で衝突と反射を繰り返す。その結果として生まれるのは、リズムやメロディを超えた“音の配置そのもの”によるダイナミクスです。USマスロック的な技巧性とも一線を画す、よりコンセプチュアルで物理的なアプローチは、本作においてすでに完成形に近い領域へと到達しています。また、本作を語る上で欠かせないのが、Steve Albini との関係性です。彼の手による録音と、それらがオーバーダブに頼らない一発録りで成立している点は、過度な演出を排しながらもバンドの特異なサウンドをそのまま定着させ、CHEVREUIL の音楽が持つ物理性と構造性を極めてクリアに提示しています。一方で、冒頭のナレーションに象徴されるようなメタ的ユーモアも配置されており、硬質な音響実験の中に軽やかな遊び心が同居している点も彼ららしい魅力です。また同年、stiffslack からリリースされたEP”Science”と同時期のセッションでもあり、2作を連結させて聴くことで、この作品が持つ音響的アイデアや構造的アプローチがより立体的に浮かび上がります。単体でも強度の高い作品でありながら、連作として捉えることで、彼らの方法論がいかに精密に設計されているかを実感させる重要な位置付けにあります。
  • Label:RUMINANCE
  • Price:2,280
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