PORTRAYAL OF GUILT / …Beginning Of The End LP(GREEN)

USテキサス/オースティンのカオティックハードコア「PORTRAYAL OF GUILT」の2026年リリースの4thアルバムがRUN FOR COVERから。本作は過去の延長に留まらず、カオティックハードコア、ブラックメタル、インダストリアル、ノイズといった要素を横断し、より多層的で野心的なアプローチを展開。従来の凶暴性を維持しながらも、サンプルやメロディを織り交ぜることで、“構築された混沌”へと昇華しています。近年の作品群で顕著だったブラックメタル的陰影やノイズ志向をさらに推し進めつつ、ジャンルを混ぜるのではなく接続する方向へと踏み込んでいます。構成面でも、前半の圧殺的なカオスから後半にかけて内省的かつ陰鬱なトーンへと沈み込む流れが明確で、アルバム全体に崩壊へ向かうストーリー性を内包。断片的な展開やノイズの挿入は一見ランダムに聴こえながらも、全体としては緻密に設計されたダイナミクスを持ち、リスナーに持続的な集中を要求します。いわゆる“即効性”よりも、反復によって意味が立ち上がるタイプの作品です。サウンド面では、鋭利なスクリームとガテラルな低音ヴォーカル、切り裂くようなギターに加え、フィードバックや電子音が層状に重なり、不穏で催眠的な空間を形成。静寂と爆発を極端に行き来することで、単なるヘヴィネスを超えた“心理的圧力”を生み出しています。加えて、一部ではビートの分解やリズムの再構築といった実験的要素も取り入れられており、従来のカオティックハードコアの枠組みを明確に拡張しています。ジャンルの枠を保ちながらそれを内側から解体し、再構築することで新たな地平を切り開いた一枚。不快さや違和感すらも表現として引き受けた、極めて現代的なカオティックハードコアの提示です。ここまで細分化されたハードコアのニッチな領域を継続的にサポートしているRUN FOR COVERの審美眼と懐の深さも特筆すべきポイントです。
  • Label:RUN FOR COVER
  • Price:4,480
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