BIG BLACK、RAPEMANを経て結成されたSteve Albini(rip)率いる「SHELLAC」の、1994年発表のデビューアルバム。TOUCH AND GOからリリースされた本作は、90年代ノイズロック/ポストハードコアの基準点として今なお語り継がれる重要作です。冒頭曲“My Black Ass”のギターリフが鳴った瞬間、この作品の衝撃度と殺傷度は凄まじさの極みを体現しています。インターネット以前、事前情報ほぼゼロのまま針を落とし、その音が初めてスピーカーから飛び出したときの衝撃は、当時体験した者にしかわからない種類の興奮でした。異常なまでにトレブルを強調した、まるで金属を引き裂くようなギターサウンド。徹底して無駄を削ぎ落としたミニマルな楽曲構成。そしてSteve Albiniの神経を逆撫でするようなスクリーム。それらすべてが渾然一体となって襲いかかる感覚は、何度聴いてもなお鮮烈です。BIG BLACK、RAPEMANの暴力性を引き継ぎながらも、よりタイトで幾何学的、そして“間”そのものを武器にしたサウンドへと進化しており、SHELLACというバンドの美学がこの時点で完全に完成していることに驚かされます。また、ハンドプレスの特殊ジャケットや高品質ヴァイナルなど、フィジカル面への異様なまでのこだわりも本作を象徴する要素のひとつであり、そのパッケージング思想まで含めて“作品”として成立しています。