MOSS ICON / Lyburnum Wits End Liberation Fly (Anniversary Edition) LP(CLEAR WHITE) MOSS ICON / Lyburnum Wits End Liberation Fly (Anniversary Edition) LP(CLEAR WHITE)
MOSS ICON / Lyburnum Wits End Liberation Fly (Anniversary Edition) LP(CLEAR WHITE) MOSS ICON / Lyburnum Wits End Liberation Fly (Anniversary Edition) LP(CLEAR WHITE)

MOSS ICON / Lyburnum Wits End Liberation Fly (Anniversary Edition) LP(CLEAR WHITE)

USメリーランドの エモ/カオティックハードコアバンド「MOSS ICON」 による”Lyburnum Wits End Liberation Fly”は、1988年にレコーディングされバンド解散後の1993年にVEMIFORMよりリリースされた1stアルバム、そのリリース25周年記念盤として2023年にTEMPORARY RESIDENCEから再発。。とりわけ注目すべきは、”Tony Joy” の在籍でしょう。彼は UNIVERSAL ORDER OF ARMAGEDDON、BORN AGAINST など、90年代ハードコアの尖鋭的文脈に連なるギタリストであり、その断続的かつ変則的なギターのフレージングは本作においてもサウンドの核として機能しています。当時の評価においてMOSS ICONは、ワシントンDCのハードコアの流れ(レヴォリューションサマー以降)に連なりつつも、そこから逸脱する“説明困難な音楽性を持つ存在”として受容されていました。後年になって初めて彼らはエモーショナルハードコア(エモコア)の原型として位置づけられるようになりますが、活動当時はむしろジャンル未定義の“過渡的音像”として理解されていたのが実情です。80年代ハードコアの破壊力を基盤としながら、極端なダイナミクス、間を活かした構成、語りに近いヴォーカル、そして内向的な情動表現を導入することで、後のエモ/ポストハードコア双方へと分岐していく“中間地帯”を切り拓いています。特にTony Joyのギターは、リフの反復ではなく“断片の配置”として機能し、時間の伸縮そのものを操作するかのような緊張感を生み出しています。そして本作が解散後のリリースとなった背景には、当時のDIY的な流通環境や、アルバム単位で作品をまとめる文化の希薄さ、さらには彼らの音楽性が時代に対してあまりにも先行していたという事情が重なっています。音源は断片的に存在し続け、シーンの中で再評価が進んだのちに、ようやく一つの作品として編み直されるに至りました。結果として”Lyburnum Wits End Liberation Fly”は、完成された“アルバム”というよりも、ジャンルが成立する以前の揺らぎそのものを封じ込めた”アーカイブ”として機能しています。解散後にリリースされたという事実も含めて、その先見性は際立っており、まさに“早すぎた”一作と言えるでしょう。
  • Label:TEMPORARY RESIDENCE
  • Price:4,580
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