CRITERIA / Ceize! LP(PINK)+OBI CRITERIA / Ceize! LP(PINK)+OBI CRITERIA / Ceize! LP(PINK)+OBI
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CRITERIA / Ceize! LP(PINK)+OBI

USネブラスカ州オマハのポストハードコア/インディーシーンを代表する重要バンド「CRITERIA」が、実に長い沈黙を経て2026年にSPARTANから放った”Seize!”は、単なる“復帰作”ではなく、Stephen Pedersenという人物の人生そのものを刻み込んだ作品として機能しています。90年代後半〜2000年代初頭、SADDLE CREEK周辺から生まれた数多くのバンド群――CURSIVE、BRIGHT EYES、THE GOOD LIFE、COMMANDER VENUSらが“地方都市オマハから世界へ接続されたインディー共同体”として機能していた時代、その内部にいたStephenは、CURSIVE初期ギタリストとしてシーンの原型を形成した人物のひとりでした。しかし彼は、激情と共同体の熱狂の只中でバンドを離れ、ロースクール進学という全く別の人生を選択します。 その後に結成されたWHITE OCTAVEは、DEEP ELM周辺の90’sエモ文脈において現在も“知る人ぞ知る名盤”として語られる存在ですが、CRITERIAはそこからさらに進み、“大人になったポストハードコア”とも呼ぶべき独自の地点へ到達したバンドでした。CURSIVE譲りの鋭角的なギターリフ、不安定なリズム構造、DISCHORD〜FUGAZI以降の張り詰めた緊張感を受け継ぎながらも、そこにTHE CUREやSUPERCHUNK、CHAVEZ、ARCHERS OF LOAF的なオルタナティヴロックのダイナミズムとメロディ感覚を融合。特に”When We Break”以降は、“激情”よりも“持続する人生そのもの”を鳴らすような重厚なサウンドへと移行していきました。”Seize!”は、その延長線上にありながら、これまでで最もヘヴィで内省的な作品です。タイトルには“Seize the day(今を掴め)”と、“エンジンの焼き付き/停止”としての“seize”という二重の意味が込められており、生と終焉、前進と停止が常に隣り合わせに存在しています。実際、本作は死、関係性の終わり、人生の転換点といったテーマを背景に制作されており、その感覚はアルバム全体を覆う重力として作用しています。 音楽的にも、オープンCチューニング(CCEGCE)による巨大で荘厳な響きが作品の核となっており、TRAVIS BEAN特有のアルミネックによる金属的なトーンが、リフ主体の楽曲群に異様な重量感を与えています。Matt Bayles(ISIS、BOTCH、MINUS THE BEARなど)をプロデューサーに迎え、オマハのARC Studiosで7日間という短期集中で録音された本作は、“完璧に整理されたヘヴィネス”を追求したアルバムとも言えるでしょう。SMASHING PUMPKINS”Siamese Dream”期の分厚いギター、QUICKSAND的な緊張感、さらにはBATTLES以降のポリリズミックな感覚までを内包しながら、それでもなおCRITERIAとして成立している点が重要です。興味深いのは、本作が“懐古的エモ再結成”として機能していない点でしょう。近年の90’s〜00’sエモ再評価の流れの中で多くのバンドが過去の延長線として回帰する一方、CRITERIAはむしろ“現在の人生”を鳴らすことに重心を置いています。Stephen自身もインタビュー内で、「若い頃はバンドが自分のアイデンティティそのものだったが、今はより個人的で内面的なものになった」と語っていますが、その言葉通り、”Seize!”は青春の残響ではなく、“年齢を重ねた人間がなお音楽を必要とする理由”を記録した作品として響きます。FUGAZI以降のポストハードコアが持っていた“緊張感”と、“人生そのものを抱え込むロック”としての在り方。その両方を失わずに更新し続けてきたバンドは決して多くありません。”Seize!”は、単なる復活作ではなく、CRITERIAというバンドが20年以上をかけて到達した現在地そのものなのです。

 

stiffslackエクスクルーシブ

・帯/Stephen Pedersenへのインタビュー記事付き仕様

 

 

  • Label:SPARTAN
  • Price:4,880
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