USニューヨークのポストハードコア/ガレージパンクバンド 「OBITS」の2021年/OUTER BATTERYリリースのライブアルバム。故Rick Froberg(PITCHFORK、DRIVE LIKE JEHU、HOT SNAKES)の最終在籍バンドとして知られる彼らですが、本作は単なる“ライブ記録”というより、OBITSというバンドの本質が最も剥き出しになった作品と言えるでしょう。2012年、SUBPOP期の2nd〜3rdアルバムの狭間、脂が完全に乗り切った時期のオーストラリアツアーを収録しており、ブリスベン公演を記録した本作は、スタジオ盤に匹敵、あるいはそれ以上とも言える異様な熱量を封じ込めています。そもそもOBITSは、90年代USポストハードコアの緊張感と、60sガレージ/パブロック/初期パンクの原始的快楽を接続した極めて稀有なバンドでした。DRIVE LIKE JEHUにおける切迫感、HOT SNAKESでの鋭利なグルーヴを経由しながらも、ここでRick Frobergが志向していたのは、もっとシンプルで、もっと粋で、もっと“ロックンロール”そのものに近い感覚。そのためOBITSの楽曲は、一見ラフで荒っぽく聴こえながら、実際には驚くほど計算されたアンサンブルとリズムの噛み合わせによって成立しています。本作ではその魅力が完全に爆発。代表曲 “Widow Of My Dreams” をはじめ、乾いたギターリフ、転がるようなビート、酒場感覚のあるグルーヴ、そしてRick特有の投げやりなのに妙に色気のあるヴォーカルが、生々しい空気感の中で最高に機能しています。ライブ盤特有の“補正不能な荒さ”すら武器になっており、むしろスタジオ盤以上にOBITSのガレージパンク性、そして4人の異常な演奏力が伝わってくる内容でしょう。また、SUBPOP周辺以降のUSインディー〜ガレージリバイバル文脈とも接続しつつ、根底にはTHE STOOGES、THE SONICS、さらには70年代NYパンク的なプリミティブ感が通底している点も重要。限定300枚イエローヴァイナル仕様。