SULTANS / Ghost Ship LP(WHITE)
PITCHFORK / ROCKET FROM THE CRYPT / DRIVE LIKE JEHU / HOT SNAKESで知られるJohn Reisが、2000年前後に始動させたガレージパンクバンド「SULTANS」による1stアルバムが、未発表曲5曲を追加したボーナストラック収録仕様で再発。オリジナルは2000年にSYMPATHY FOR THE RECORD INDUSTRYよりリリースされ、John Reisが“Slasher”名義で録音した、極めて原始的かつ衝動的なロックンロール作品として一部で熱狂的支持を獲得した隠れた名作です。当時ROCKET FROM THE CRYPTがドラマー探しで停滞していた最中、John Reisは8トラックMTRと僅か3本のマイクのみを使い、この異様に荒っぽいロックンロールをDIY的に録音。90年代後半〜2000年前後、USインディー/ポストハードコアが技巧化、内省化、アート化していく流れに対し、本作はそれらを鼻で笑うかのような、“速く・短く・雑で暴力的”なロックンロールへ回帰した作品として機能していました。THE RAMONESやMISFITSのブートレグ的初期衝動、さらにオーストラリア産荒くれたパンクロック〜THE CHOSEN FEW周辺からの影響も色濃く、全曲がスタートからゴールまで一直線に突っ走るような異常な推進力を持っています。また、ROCKET FROM THE CRYPTにおける祝祭感や、DRIVE LIKE JEHUの緊張感ある構築美とも異なり、本作のSULTANSは徹底してプリミティブで粗暴。楽曲は意図的に短く、似通っており、無骨で拙速。その“雑さ”や“投げっぱなし感”そのものが魅力として成立している点も重要でしょう。00年代以降のMARKED MEN、THE BRIEFS、MIND SPIDERS周辺にも接続される、“複雑化したオルタナ以降”へのカウンターとしてのガレージパンク再興を先取りしていた作品とも言えます。さらに今回収録された5曲のボーナストラックは、“Ghost Ship” 録音後〜2ndアルバム “Shipwrecked” 制作以前に録音されながら、20年以上倉庫に眠っていた未発表音源。一部楽曲は後にROCKET FROM THE CRYPT側へ吸収/再録されており、SULTANSとROCKET FROM THE CRYPTの境界がまだ曖昧だった時期の貴重な記録としても非常に興味深い内容です。もちろん追加曲群も本編同様、一切ブレーキの存在しない荒々しいテンションを維持しており、本作の“止まれないロックンロール衝動”をさらに補強する内容となっています。
- Label:SWAMI
- Price:4,980
円