P.E.E. / I Win Me Over LP P.E.E. / I Win Me Over LP
P.E.E. / I Win Me Over LP P.E.E. / I Win Me Over LP

P.E.E. / I Win Me Over LP

USサンフランシスコ/ベイエリアのインディーロック/マスポップパンクバンド「P.E.E.」による幻の未発表アルバム “I Win Me Over” が初ヴァイナル化。本来アルバム用として録音されながらも、後に全曲再録されることになったセッションであり、今回DEATHBOMB ARCより2026年初正式リリースとなります。90年代ベイエリアとDIYパンク/924 GILMAN STREET文脈が巨大化していた時代ですが、P.E.E.はその流れの中でもかなり異質な存在でした。ポップパンク的な親しみやすさを持ちながらも、楽曲は異様に短く、突然展開が切り替わり、不安定な変拍子やノイジーなギターが飛び交う。後年“マスロック”や“マスポップ”と呼ばれる感覚を、彼らは極めて無自覚かつDIY的に鳴らしていたバンドだったと言えるでしょう。本作は、4トラックリール録音によるローファイな質感も相まって、後の正式作品以上に“青春の暴走感”が剥き出しになっています。SUPERCHUNK、ARCHERS OF LOAF、CAP’N JAZZ、さらには初期THE GET UP KIDSやRAINER MARIAにも接続されるような、“エモ以前/インディーロック以後”の未分化な感覚が全編に充満。レビューでも“sloppy and complex pop punk”“manic and completely loving”=粗雑なのに異様に繊細、複雑なのに猛烈にキャッチーという、と評されている通り90年代ベイエリア地下音楽特有のアンバランスな熱量が強烈に記録されています。またP.E.E.は、J CHURCHやA MINOR FOREST人脈とも交差しており、ドラマーAndee Connorsの存在も含め、単なるポップパンクバンドではなく、ベイエリアDIYインディー、エモ、ポストロック文脈を横断していた点も重要でしょう。彼らはBOYS LIFE、JIMMY EAT WORLD、NEUTRAL MILK HOTELなどとも共演しており、90年代USインディーシーンがまだジャンル分化する以前の“雑多で幸福な混沌”を体現していたバンドでもあります。後年、RATE YOUR MUSICやサブスクリプションで再評価が進み、“隠れた90’sマスポップ名盤”としてカルト的人気を獲得した流れがあります。ローファイ、エモ、インディーポップ、ポップパンク、マスロック、その全てがまだ未分化のまま爆発していた、“90年代ベイエリア地下音楽の美しい失敗作”のような一枚です。
  • Label:DEATHBOMB ARC
  • Price:4,980
  • Qty :