スコットランドの電子音楽ユニット「BOARDS OF CANADA」による2005年WARPからリリースの3rdアルバム “The Campfire Headphase” 再入荷。それまでの作品で強く漂っていた不穏さやサイケデリックな感覚を残しつつも、よりメロディアスかつ有機的な方向へと接近した作品です。90年代WARP周辺のIDM文脈を代表する存在でありながら、本作ではアナログシンセやテープ劣化質感だけでなく、生楽器やアコースティックギターを大胆に導入。フォーク、サイケ、アンビエント、さらにはシューゲイズ〜ポストロック以降の空気感すら取り込んだ、極めて風景的な作品となっています。“Music Has The Right To Children” や “Geogaddi” にあった異様な不安感はやや後退しており、その代わり本作では夕暮れや自然風景、郊外のノスタルジーを思わせる感覚が強調されています。一方で、その温かみも決して単純な癒やしではなく、“失われた記憶”や“存在しない原風景”を眺めているような、BOARDS OF CANADA特有の奇妙な違和感は依然として健在です。特に本作は、IDMという枠組みを越えて、MOGWAIやSIGUR RÓS、さらには現代アンビエント〜ドリームポップ以降にも接続される“エレクトロポストロック”的作品として聴くこともできるでしょう。後のチルウェイヴ〜ホウントロジー周辺にも大きな影響を与えた、彼らのキャリアの中でも最も開かれた美しさを持つ重要作です。