USニューヨーク/ブルックリンを拠点に活動するインディーロック/シューゲイズバンド 「DIIV」 が2012年に発表した記念すべきデビューアルバム”Oshin”のリプレス盤。2010年代初頭、インディーロックがチルウェイヴやドリームポップ、シューゲイズの再評価と共に新たな局面を迎える中、その中心に現れたのがDIIVでした。80〜90年代のUKインディーやアメリカンアンダーグラウンドへの深い愛情を土台にしながら、それらを単なる懐古主義に終わらせることなく2010年代の感覚で再構築した重要作です。幾重にも重なるギターのアルペジオ、深く霞んだリバーブ、どこまでも続くような浮遊感。COCTEAU TWINS や THE CURE、MY BLOODY VALENTINE、GALAXIE 500 の遺伝子を感じさせながらも、DIIVはより都会的で現代的な孤独をそのサウンドに投影しています。夏の熱気に包まれたブルックリンのスタジオで、レコードや本、そして窓の外の景色から着想を得て生み出された楽曲群は、現実と夢の境界線を曖昧にしながら独特の世界観を築き上げています。本作の魅力はシューゲイズの轟音よりも、その奥にある繊細なメロディと空気感にあります。心地よい浮遊感の中にどこか退廃的なムードが漂い、聴き手をゆっくりと深みへ引き込んでいく感覚は唯一無二。後の”Is The Is Are”や”Deceiver”へと繋がる原点でありながら、今なおDIIVの代表作として愛され続ける理由がここにあります。WILD NOTHING、BEACH FOSSILS、SLOWDIVE、GALAXIE 500、そして4AD黄金期の作品群が好きなリスナーなら避けて通れない、2010年代USインディーロックを代表する名盤です。