USフィラデルフィアのエモリバイバルを象徴する存在、「ALGERNON CADWALLADER」が2008年に発表した記念すべき1stアルバム”Some Kind of Cadwallader”の再発盤。オリジナルはMARIKAからリリースされ、その後はHOT GREENやBE HAPPYから再発、さらにその後はLAUREN RECORDS / ASIAN MAN RECORDSより幾度となくリプレスを重ね、今回入荷分は通算9thプレスとなります。DIYリリースながら累計5000枚以上を売り上げ、廃盤と再発を繰り返しながら語り継がれてきた、2000年代エモリバイバルを代表する歴史的名盤です。本作が登場した当時、多くのリスナーがまず驚いたのは「どう聴いてもCAP'N JAZZにしか聴こえない」という潔すぎるまでのスタンスでした。彼ら自身もその影響を隠すことなく公言し、後に“キンセラコア”と呼ばれる流れの象徴的存在に。90年代エモの美学を現代に蘇らせながらも、それを単なる懐古趣味では終わらせず、新たな世代へと接続した功績は計り知れません。しかし、本作の価値はフォロワー論だけでは到底語り尽くせません。転がるように駆け抜けるギター、目まぐるしく変化するリズム、絶妙に捻くれたコードワーク。複雑でトリッキーなアレンジを駆使しながらも、どの曲も驚くほどポップで親しみやすく、シンガロングしたくなるメロディーに満ちています。その軽快さと多幸感、そしてどこか不器用で愛嬌のある佇まいこそがALGERNON CADWALLADER最大の魅力でしょう。後に続くDIYエモから、現行のエモ/インディーロック勢にまで広がる影響力を考えても、本作は単なるエモリバイバルの名盤ではなく、一つの時代を決定づけた作品と言えます。CAP'N JAZZへの最大級のラブレターでありながら、同時にALGERNON CADWALLADERという伝説を生み出した原点。エモ史において避けて通ることのできない、永遠の青春盤です。