USネブラスカ州オマハのエモシーンを語る上で欠かせない存在、Steve Pedersen率いる「CRITERIA」の2003年発表1stアルバムが待望の初ヴァイナル化。オリジナルは2003年にINITIAL RECORDSからリリースされ、その後2005年にSADDLE CREEKから再発された作品で、これまでCDのみで流通していた隠れた名盤です。Steve Pedersenは初期CURSIVEのギタリストとして活動後、DEEP ELMから作品を残したWHITE OCTAVEを経て本作へと至りました。さらにメンバーにはLULLABY FOR THE WORKING CLASSやTHE GOOD LIFEにも参加したAJ Mogis、後にTHE FAINTやBRIGHT EYES周辺でも活躍するMatt Maginnら、当時のオマハ人脈が集結。まさにSADDLE CREEK周辺の才能が交差した作品と言えるでしょう。サウンドはCURSIVEの激情性を引き継ぎながらも、よりメロディアスでダイナミック。90年代エモ〜ポストハードコアの熱量と、2000年代以降のインディーロック的な洗練が絶妙なバランスで同居しています。鋭く切り込むギターリフ、胸を締め付けるメロディ、Steve Pedersen特有の切迫したボーカルは、JAWBREAKERやSAMIAM、THE PROMISE RINGを経由したエモの正統進化形とも言える内容。さらにJAWBOX、QUICKSAND、UNWOUNDに通じる硬質なリフワークや重厚なグルーヴも随所に顔を覗かせ、単なるエモ作品に留まらない骨太な魅力を備えています。2000年代初頭、SADDLE CREEK勢が世界的な注目を集める中でリリースされたにもかかわらず、本作は同時代のBRIGHT EYESやCURSIVEの陰に隠れ、大きな評価を得ることはありませんでした。しかし時代を経るごとに熱心な支持を獲得し続け、現在では「オマハエモ最後の隠れた名盤」として語られる存在に。近年のエモリバイバル以降、その評価はさらに高まり続けています。90年代エモの終着点であり、2000年代エモの出発点でもあったカルトクラシック。THIRTY SOMETHINGによる今回の再発は、その価値を改めて証明する絶好の機会でしょう。JIMMY EAT WORLD、CURSIVE、BRAID、THE JAZZ JUNE、THE APPLESEED CASTファンはもちろん、JAWBOX、QUICKSAND、UNWOUND以降のポストハードコアを愛するリスナーにも強く推薦したい一枚です。レーベルインフォにて書かれた"Criminally overlooked"(犯罪的なまでに過小評価された)という形容がこれほど似合う作品もそう多くありません。むしろ本作こそ、その言葉が生まれる理由になった一枚と言っても過言ではないでしょう。
・stiffslackエクスクルーシブ
日本語帯/ライナーノート付仕様