ワシントンD.C.ポストハードコアの歴史において、HOOVERから続く重要な系譜を担う「REGULATOR WATTS」が、約30年ぶりとなる完全新作EPをSOLID BRASSよりリリース。90年代にわずかな作品を残して姿を消した彼らが2026年に再始動したこと自体が大きなニュースですが、本作は単なる懐古や再結成を祝う作品ではありません。30年という歳月を経たからこそ到達できた、キャリア最高傑作と呼ぶにふさわしい内容です。プロデュースとミックスを手掛けたのはCONVERGEのKurt Ballou。Electrical Audioで録音されたサウンドは圧倒的な重量感と立体感を獲得しながらも、バンドの核”Alex Dunham”(HOOVER、ABILENE、RADIO FLYER)の鬼気迫るスクリーム、不穏なリバーブをまとった鋭利なギター、複雑にうねるリズム、そして張り詰めた静寂から轟音へとなだれ込む緊張感はまったく色褪せていません。むしろ90年代には成し得なかったスケール感で、DCポストハードコア、ダブ、アンビエント、ノイズロックを独自に融合した孤高のサウンドを完成させています。全5曲というコンパクトな作品ながら、一切の無駄を削ぎ落とした濃密さはアルバム1枚分以上のインパクト。静と動、混沌と秩序、破壊と美しさが完璧なバランスで共存し、30年というブランクを感じさせるどころか、「今だからこそ鳴らせる音」であることを痛烈に証明しています。FUGAZIやJAWBOXとも異なり、よりダークで内省的、そしてHOOVER譲りの張り詰めた緊張感を宿したその孤高の美学は、2026年のポストハードコアシーンにおいてもまったく古さを感じさせません。 DCポストハードコアを愛する人はもちろん、UNWOUND、SLINT以降のノイズロック、静寂と轟音のダイナミクスに魅了されるすべてのリスナーに突き刺さる、2026年必聴の一枚です。