【廃盤】オルタナティブロック、エモ、ポストハードコアを自在に横断し、現代のバンドでも容易には到達できない唯一無二のサウンドを確立した、カンザスシティーの至宝 SHINER。1997年に発表された2ndアルバム”Lula Divinia”が、2017年にバンド自身の手によって初ヴァイナル化されたセルフリリース盤。本作は、後にツインギター編成へと進化するSHINERにとって、トリオ編成で制作された最後の作品。重厚なグルーヴを軸にしながらも、鋭いギターリフと予測不能な展開が自然体で溶け込み、オルタナティブ、グランジ、エモを独自の感覚で融合させた、当時ですらカテゴライズ不能だったサウンドを聴かせます。その煮え切らない立ち位置こそが、今なお色褪せない魅力となっています。JAWBOX以降のポストハードコアの流れを受け継ぎながらも、カンザスシティーならではの空気感と叙情性をまとった楽曲群は、後のSHINERの方向性を決定づける重要な一枚。Andy Muellerによる洗練されたアートワークも作品の世界観を完璧に表現しています。そして何より圧巻なのは、リフメイカーとしてのAllen Epleyの卓越したセンスと、当時まだ20代半ばとは思えないほど完成された妖艶なボーカル。その歌声はすでに唯一無二の存在感を放ち、後のTHE LIFE AND TIMESへと続く美学の原点がここに刻まれています。SHINERのディスコグラフィーの中でも、とりわけ過小評価されてきた作品でありながら、エモ〜ポストハードコア史において決して見逃すことのできない隠れた大名盤です。
CONDITION
MEDIA : VG+
SLEEVE : VG+