UK/ノリッジで2006年に結成された4人組「PENNINES」が、活動期間中に残した全6曲をまとめた完全ディスコグラフィー“Recordings 2008-09”、TOPSHELFからリリース。わずか20分足らずという短さながら、2000年代後半のUKマスロック/エモの空気を凝縮したような内容で、短命に終わったことも含めて今なお語り継がれる彼らの全貌を捉えた作品。2008年、ライヴ会場で無料配布されたホームメイドCD“First CD”に収録された“Whiskey Tango Foxtrot…”、“Open Closed Open”を含む全6曲。STAPLETON、HOT CLUB DE PARIS、COLOUR、DARTZ!、TTNGらと同時代のUKインディーシーンで活動しながら、toeやAMERICAN FOOTBALLに代表される繊細なアルペジオ、シンコペーション、スタッカートを効かせたギター同士のコール&レスポンス、予想を微妙に裏切るリズム展開を独自のバランスで組み上げています。PENNINESの大きな特徴は、マスロック的な複雑さを持ちながら、それをテクニカルな誇示として鳴らしていないところ。ギターはディストーションやエフェクトに頼らず徹底してクリーントーン、録音もDIYで行い、4人が実際に演奏する音を極力そのまま記録するというストイックな姿勢を貫いています。細かく刻まれるギターと変則的なリズムが忙しく交錯しているのに、音像には妙な余白と軽やかさがあり、複雑なのにスッと耳へ入ってくる。この感触こそPENNINESならでは。そしてPENNINES解散後、ヴォーカル/ギターのHenry TremainがTTNGへ加入したことで、このバンドが持っていた音楽的な感覚やUKマスロックの系譜はさらに次の時代へと接続。後年のTTNGを知るリスナーが遡ってPENNINESへ辿り着くケースも多く、活動当時以上にその存在が再評価されてきました。近年は遂に再結成を果たし、本国UKでは当時を知るファンと後追いの世代が入り混じる異様な盛り上がりを見せているというのも、このわずか6曲が残したインパクトの大きさを物語っています。数年間の活動で残した音源が一般的なアルバム1枚より短いという極端にコンパクトなディスコグラフィーながら、その密度と後世への影響は決して小さくありまん。TTNG、COLOUR、TANGLED HAIR周辺のUKマスロックはもちろん、toe、AMERICAN FOOTBALLなどの緻密なギターアンサンブルに惹かれる人なら確実に押さえておきたい、2000年代UKマスロックの小さくも重要な記録。ダウンロードクーポン封入、限定BLUE IN CLEAR MARBLE VINYL。