カナダのインストゥルメンタル/マスロックトリオ「DAYDREAM PLUS」による1stフルアルバム“Second Last Day of Summer”がRUN FOR COVERより2026年リリース。TOMB MOLDのギタリスト Payson Powerが、長年ヘヴィミュージックを演奏してきた反動から、よりメロディックでキャッチーな音楽を追求するため2020年に始動。目まぐるしく展開するギターフレーズ、細かく刻まれる変則的なリズム、強烈な演奏力という土台を持ちながら、そこへスムースジャズやAOR、シティポップの滑らかな質感を大胆に投入。さらにゲームミュージックや疾走感のあるアニメのサウンドトラック、果てはSTEELY DAN譲りの洒脱なコードワークまで吸収し、テクニカルなのに妙に耳馴染みが良く、複雑なのにキャッチーという絶妙な地点へ着地しています。特に面白いのは、マスロック特有の難解さやストイックさを演奏力の誇示に向かわせず、あくまで楽曲を色鮮やかにするための手段として使っているところ。ギターは鋭角的なリフを刻んだ直後に爽快なメロディーへ飛び込み、リズム隊は変拍子を軽々と処理しながらグルーヴを失わない。ジャズ/フュージョン的なコードや都会的な響きが随所に差し込まれることで、マスロックの骨格にスムースジャズの光沢をコーティングしたような、ありそうでなかった音像を作り上げています。TOMB MOLDというデスメタルバンドのメンバー3人による作品という背景も興味深いですが、ヘヴィネスを別ジャンルへ置き換えただけのサイドプロジェクトではなく、彼らが持つ演奏能力と音楽的好奇心を全く異なる方向へ解放したバンドと捉えるのが正解。マスロックから、ジャズ/フュージョン、シティポップ、ゲーム/アニメ音楽までが違和感なく同居し、どこか懐かしいのに妙に未来的。夏が終わる直前の、楽しいのに少しだけ切ないあの感覚を、超絶技巧と抜群のポップセンスで描き出した快作です。