TITLE FIGHT / Shed CD

USペンシルベニアのメロディックハードコア/エモバンド「TITLE FIGHT」が、2011年にSIDEONEDUMMYからリリースした1stフルアルバム“Shed”。EPや7インチの発表と世界各地でのツアーを重ね、GORILLA BISCUITSやLIFETIMEが築いたメロディックハードコアを現代的な感覚で更新する存在として注目を集めていた彼らが、その初期衝動を余すところなく刻み込んだ代表作です。本作はGORILLA BISCUITS/QUICKSANDのWalter Schreifelsをプロデューサーに迎え、彼がペンシルベニア北東部まで赴いてプリプロダクションからバンドに参加。80年代後半から90年代へ連なるNYHCとメロディックハードコアの系譜を熟知した人物との共同作業によって、TITLE FIGHTの荒々しいエネルギーと優れたソングライティングが鮮明に引き出されています。性急に駆け抜けるショートチューン、喉を削るようなヴォーカル、切迫したビートを軸としながら、単なるハードコアの再現には収まらない一枚。二本のギターが生み出す鋭いリフと陰りを帯びたコード、Nick BruzzeseとJamie Rhodenによる対照的なヴォーカル、後のシューゲイズ/オルタナティヴ路線にもつながる内省的なメロディが、短い楽曲の中で激しく交錯します。GORILLA BISCUITS、LIFETIME、SAVES THE DAY、KID DYNAMITEといった先達から受け継いだ要素に、90年代エモやポストハードコア、オルタナティヴロックの質感を重ね、TITLE FIGHTにしか鳴らせないサウンドへと昇華しています。彼らの最終作品“Hyperview”で完成形を迎える、シューゲイズやドリームポップの霞んだ音像へ本格的に踏み込む以前の作品でありながら、その萌芽はすでに随所に存在。ハードコア特有の切迫感を土台に、陰影を帯びたギターの響きや内省的なメロディを溶け込ませた本作は、初期のメロディックハードコアと後期のオルタナティヴな音楽性をつなぐ重要な出発点でもあります。ハードコア、エモ、ポップパンク、オルタナティヴロックの境界を自然に横断するその音楽性は、2010年以降のUSハードコアに新しい流れを生み出し、後続のバンドがより自由にジャンルを混ぜ合わせるための道筋を提示しました。ハードコアの現場が持つ生々しい熱量を保ちながら、内省的な感情や繊細なメロディを真正面から鳴らした、シーンの方向性を変えた時代の分岐点。2010年代以降のメロディックハードコア/エモシーンに大きな影響を与え、TITLE FIGHTの存在を決定づけた名盤。衝動的なハードコアと切実なメロディが最も純粋な形で結びついた、バンドの原点にして必聴作です。
  • Label:SIDEONEDUMMY
  • Price:2,280 円
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