【CD/USED/廃盤】90年代スローコアを代表するBEDHEADのMatt Kadane、Bubba Kadane兄弟を中心に、COME/CODEINEで活動したChris Brokawらによって結成されたUSインディーロック/スローコアバンド「THE NEW YEAR」が、2008年にTOUCH AND GOから発表した3rdアルバム。BEDHEADから受け継がれる、音数を抑えながら一音一音へ意味を持たせるアンサンブルは本作でも健在。ゆっくりと反復するギター、淡々と刻まれるリズム、囁くようなヴォーカルを軸に、複数のギターがそれぞれ異なるフレーズを奏でながら重なり合い、静かな楽曲の中に驚くほど豊かな奥行きを作り上げています。醍醐味とも言えるトリプルギターのアンサンブルは圧巻。轟音や派手なクライマックスへ向かうのではなく、小さなフレーズやコードの響き、わずかな音色の変化を積み重ねることで、徐々に感情を膨らませていきます。シンプルに聴こえるのに、注意深く耳を傾けるほど複雑なギターの絡みが見えてくる、Kadane兄弟ならではの緻密なソングライティングです。本作ではさらにピアノやオルガンなど鍵盤楽器の存在感も増し、従来の硬質で張り詰めたスローコアから、より柔らかく開かれたサウンドへ。淡々としているのに心地良く、温かいのにどこか寂しい。その相反する感覚が自然に同居しているところに、本作ならではの美しさがあります。BEDHEAD、CODEINE、COMEから続く90年代US地下インディーロックの美学を受け継ぎながら、単なる過去の再現ではなく、より成熟した形へ発展させた作品。LOW、IDA、KARATEなど、静かな演奏の中に深い感情を宿すインディーロックが好きな人にも間違いなくおすすめです。派手さとは無縁だからこそ何度でも戻ってきたくなる、スローコアのマスターピースと呼びたい全10曲。
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