JEJUNEやRAINER MARIAと並べて語られるべき、US女性ヴォーカル・エモの隠れた重要バンド「nymb」。2001年にSUBURBAN SPRAWL MUSICから発表した1stフルアルバム“So, This Is How It Is”が、Carl Saffによるリマスタリングを施して2026年にFORGE AGAINから再発。同時期にJeremy Lemosと録音され、“The Breathing Out Vapors Single”のBサイドとして発表された2曲を追加収録した全13曲入りです。後年になってミッドウェストエモと括られるサウンドですが、当時はそのようなジャンル名が明確に定着していたわけではなく、本作で鳴らされているのは、エモ、シューゲイズ、90年代オルタナティヴロックを大胆にマッシュアップした音楽。静かに張り詰めた歌とギターが徐々に熱を帯び、やがて轟音とともに感情を爆発させるソフト/ラウドのコントラストが圧巻。複数のギターが作り出す分厚いレイヤー、重心の低いリズム、胸を締め付けるメロディが複雑に絡み合いながらも、楽曲にはキャッチーなフックがしっかりと刻まれています。エモ特有の切迫感だけでなく、シューゲイズの浮遊感やノイズ、90年代オルタナティヴロックのフィジカルな重量感まで共存しているため、いわゆるミッドウェストエモの定型だけでは捉えきれない奥行きを持った作品です。録音/ミックスはJeremy Lemosが2000年にシカゴのACME RECORDINGで担当し、オリジナル版はDouglas Wardが2001年にマスタリング。今回の再発ではCarl Saffがヴァイナル用マスタリングとラッカーカットを手掛けています。JEJUNE、RAINER MARIA、HUM、SUNNY DAY REAL ESTATE、BRAIDなどを愛する方に強く推薦したい、90年代末から00年代初頭のシカゴインディーロック/エモが持つ熱量を封じ込めた隠れた名作です。