JEJUNEやRAINER MARIAと並べて語られるべき、US女性ヴォーカル・エモの隠れた重要バンド「nymb」が、解散直前の2001年8月に自主レーベルNOVELTY HORN PRODUCTIONSから発表した2ndにして最終アルバム“Nothing New...”が、Carl Saffによるリマスタリングを施して2026年にFORGE AGAINから再発。極めて流通の少なかったセルフリリース作品が、今回初めてヴァイナル化され、CDも広く流通する形で待望の復刻です。HUMを思わせる分厚いギターとシューゲイズの霞んだ音像、SUNNY DAY REAL ESTATEの感情的な起伏、BRAIDの鋭角的なアンサンブルを吸収し、エモと90年代オルタナティヴロックを独自にマッシュアップ。後年ミッドウェストエモと括られるサウンドですが、繊細なアルペジオや複雑なリズムだけに留まらず、重く沈み込む静寂、ノイズを伴って膨張するギター、身体ごと押し切るようなバンドの推進力が共存しています。前作“So, This Is How It Is”で確立したソフト/ラウドのダイナミズムを受け継ぎながら、本作ではその振幅をさらに深く掘り下げています。静かに張り詰めた女性ヴォーカルと抑制された演奏が徐々に熱を帯び、幾重にも重なる轟音へ転じていく展開は圧巻。淡いメロディ、内省的な歌声、オルタナティヴロック由来の重量感が一体となり、全7曲というコンパクトな構成の中に、解散間際のバンドが持っていた緊張感と成熟を凝縮しています。2001年の発表直後から入手困難となり、長らく知る人ぞ知る存在だった最終作。90年代のエモ/シューゲイズ/スロウコア/オルタナティヴロックが交差するサウンドを求める方に強く推薦したい一枚です。オリジナルの簡素なアートワークを拡張/再構築。Carl Saffによるリマスターで再び届けられる、nymbの短い活動歴を締め括ったUS女性ヴォーカルエモの隠れた名作です。