GODFLESH / Decay CD

UKバーミンガムが生んだインダストリアル/エクスペリメンタルヘヴィミュージックの始祖GODFLESHが放つ10作目にして、バンドの最終章へ向かう最後から2作目のアルバム『Decay』が2026年、RELAPSEからリリース。Justin BroadrickとBen Greenという不動の核によって、結成から38年を経てもなお一切の温度を感じさせない、冷徹で巨大な音塊を叩きつける一枚。全6曲は2023年作『Purge』と同じセッションから生まれたもの。もともとはひとつの巨大な楽曲群として制作され、Broadrickが『Purge』に必要な楽曲を選び、残された素材を時間を置いて再び見直し、アレンジや細部へ手を加えることで『Decay』という独立した作品へと再構築しています。単なるアウトテイク集ではなく、『Purge』と同じ源からさらに暗く、鈍く、荒涼とした方向へ踏み込んだ作品です。機械的に反復するリズム、Ben Greenの地を這うベース、Justin Broadrickの巨大なギター、人間の肉体そのものが軋むようなヴォーカル。GODFLESHの根幹にある徹底的に削ぎ落とされた構造は変わりませんが、『Decay』ではその反復と重量がさらに執拗。インダストリアル、ダブ、ノイズ、ドゥーム、ポストパンクといった彼らが長年接続してきた要素が、極端に重く、遅く、無慈悲なグルーヴへと圧縮されています。とりわけ作品の両端に置かれた長尺曲は、Broadrick自身が『Decay』のコンセプトを語るうえで最も重要とするもので、この2曲だけでアルバム全体のおよそ半分を占めます。その間を反復するヘヴィグルーヴが埋め尽くし、アルバム全体をひとつの巨大な閉塞空間のように構築しています。レコーディング完了後、Broadrickは長年の激しい発声などによる身体への負担も重なり、大きな手術を経験。ミックスは術後に行われました。これまで精神的、哲学的、実存的な苦痛をGODFLESHという音楽へ変換してきた彼にとって、『Decay』では現実の肉体的な痛みまでもが作品の背景へ重なっています。数え切れないほど模倣されてきた方法論でありながら、BroadrickとGreenが生み出す冷たく、重く、空虚で、それでいて異様な身体性を伴うグルーヴはいまだ唯一無二です。38年間追求してきた「重さ」を単なる音圧ではなく、反復、空間、精神、肉体の苦痛として突き詰めた、終幕を目前にした今だからこそ鳴らすことのできる凄まじい作品です。
  • Label:RELAPSE
  • Price:2,880 円
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